自民党の西田昌司参院議員が、沖縄戦で犠牲になった学徒隊の生徒らを慰霊する「ひめゆりの塔」の展示内容を「歴史の書き換え」などと講演会で発言した。しかし、ひめゆりの塔や資料館について、関係者はそのような展示物は「過去も現在もない」と話す。
ひめゆりの塔は、沖縄戦の激戦地・糸満市に立つ。
沖縄戦に看護要員として動員された沖縄師範学校女子部と沖縄県立第一高等女学校の生徒による「ひめゆり学徒隊」の犠牲者ら計227人を悼む碑で、敗戦翌年、犠牲者が多かった自然洞窟(ガマ)の上に地域住民らが建立した。現在の慰霊碑は1957年に建てられたものだ。
塔の近くには、由来を記した75年設置の石碑がある。米軍が迫ると看護隊は陸軍病院から解散を命じられ、敵襲を受けたり断崖に追い詰められたりして多くが亡くなったことが記されているが、「日本軍によって学徒が死に、米軍によって解放された」といった記述はない。
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