国連安全保障理事会(15カ国)で2023年1月から非常任理事国を務めてきた日本の任期が31日で終了する。全加盟国で最多12回目の選出となった今回、「国際の平和と安全」に責任を持つ安保理で、日本はどう取り組んできたのか。山崎和之国連大使に聞いた。
――安保理での2年間を振り返ると?
日本は法の支配を尊重する重要性、平和構築、核軍縮・核不拡散の三つを訴えてきた。
残念ながら国際情勢はこの2年で厳しくなってしまった。ロシアによるウクライナ侵攻は北朝鮮が直接関与する事態になった。ロシアとの協力関係が進み、北朝鮮問題は進展がまったくなかった。パレスチナ自治区ガザでの紛争が激化し、内戦が起きているスーダンの状況も厳しい。
――記憶に残る会合は。
(断食月の期間中の)ガザでの即時停戦を求める決議が通った3月の会合だ。日本が議長の立場や米国との関係、パレスチナやアラブ諸国との関係などを使いながらぎりぎりの努力をして、(23年10月の戦闘開始から)初めて停戦を求める決議が通った。
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――イスラエルを支持する米国が拒否権を使わずに棄権したことで、話題になった。
今は(各国が)携帯のアプリでも連絡を取り合っている。土日を含めて1日20時間ぐらい交渉をやっていた気がする。
――米国はいつ歩み寄ってきたのか。
会合が始まる30秒前ぐらい…