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東京電力福島第一原子力発電所の2号機。燃料デブリの試験的取り出し作業が着手されたが、再び作業が中断している=2023年1月19日、福島県大熊町、朝日新聞社機から

 福島第一原発2号機の溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の試験的な取り出しに使うカメラの映像が確認できなくなった問題で、東京電力は18日、ケーブルの接続不良の有無などを確認したが、原因は特定できなかった。カメラ自体が故障している可能性も出てきた。状況次第では、作業再開までにかなりの期間がかかる恐れもある。

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燃料デブリの持ち上げ

 デブリの試験的取り出しは当初、8月22日に着手する予定だった。しかし、装置に使うパイプの並び順の間違えがあり、ミスの原因と対策を東電が経済産業相に報告するなどし、改めて10日に作業が始まった。最大約22メートルまで伸びる「釣りざお式装置」を使い、燃料デブリをつまんで取り出し、分析するという計画だ。

  • 【そもそも解説】ミスで作業中止、燃料デブリの取り出しは難しい?

 14日には原子炉格納容器の底部に装置の先端部を釣り下ろし、燃料デブリに触った。その後、17日に3グラム以下の燃料デブリを採取する予定だった。ところが、17日朝、装置先端部についたカメラ2台の映像が遠隔操作室にあるモニターに映らなくなった。装置の電源を入れ直したり、ケーブルを接続し直したりしたが、復旧せず、この日の採取を断念した。15日に点検した際には映っていたという。

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不具合がわかった取り出し装置先端のカメラ

 装置にはカメラが計4基つい…

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