旧松本高の校友会雑誌(左)。右は森いづみさんが研究で用いた旧松本高関係の冊子=2025年6月20日、長野市、小山裕一撮影

 戦前から戦中にかけて言論の自由はどう変わったのか――。長野県立長野図書館長の森いづみさん(56)が旧制松本高校(現・信州大学)の「校友会雑誌」を分析し、太平洋戦争の開戦直前にプロパガンダに傾いていく姿を明らかにした。

 旧松本高は1919年、長野県松本市に開校。校友会雑誌は翌20年に創刊され、47年までの27年間で通算55号が発行された。校友会は在校生や教職員が全員入る組織で、運動部や文化部などの活動をしていた。

 信州大院の社会人大学院生でもある森さんは現存する52号分の目次1112件を表計算ソフトに入力。論文の「自然科学」や「政治・社会」、創作ものの「小説」など図書の整理法を応用して分類した。

旧松本高の校友会雑誌を研究した長野県立長野図書館長の森いづみさん=2025年6月20日、長野市、小山裕一撮影

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