気象庁は27日、九州南部・北部、四国、中国、近畿の各地方が梅雨明けしたとみられると発表した。いずれの地方も、平年より20日前後早い。今年は太平洋高気圧の勢力が強いことなどから、梅雨前線が早く北へ押し上げられた。
この日の発表は速報値で、確定すれば九州北部、四国、中国、近畿では1951年の統計開始以降、最も早く、九州南部も2番目に早い梅雨明けとなる。昨年より九州南部は19日、九州北部と四国は20日、中国は24日、近畿は21日早い。平年より九州南部は18日、九州北部は22日、四国は20日、中国と近畿は22日早い。九州北部と四国では7月1日、中国と近畿では同3日が、これまで最も早い梅雨明けの記録だった。
気象庁によると、東南アジアなど熱帯付近で海面水温が平年より高く、積乱雲の活動が活発になっている。その影響で、アジア大陸上でチベット高気圧が北への張り出しを強め、偏西風が北寄りに流れているという。これに伴い、梅雨前線も平年より北寄りに位置しやすくなっていた。さらに、今後1週間程度は太平洋高気圧が勢力を強めて西日本付近を覆い、晴れの日が続くと予想されており、梅雨明けを発表した。
西日本の5~6月の降水量はおおむね平年並みだったが、向こう1カ月は少雨が予想されている。担当者は「今すぐ水不足のリスクがあるとは言えないが、平年は7月中旬ごろまでは梅雨が続き、本来はダムに雨がたまる時期。ここで雨が降らないと、影響が出る可能性がある。最新の降水量や水の管理に注意してほしい」としている。
関東地方を含む東日本については、7月はじめに雨が予想されるため、この日の梅雨明けの発表は見送られたが、「平年より早まる可能性はある」としている。