大手百貨店の業績は好調で、高島屋も2024年3~5月期決算は前年比で増収増益となりました。ただ、村田善郎社長は先行きをあまり楽観しているようには見えません。売り場を通じて感じる消費動向などについて話を聞きました。
主要100社景気アンケート
朝日新聞の「主要100社景気アンケート」で、各社の経営陣にインタビューした内容を随時配信します。
――国内の景気をどう見ますか。
「足踏み状態だと考えています。大きな流れでいえば、昨年5月に新型コロナウイルス感染症が『5類感染症』になった後に盛り上がった消費が一巡した、というのが現状だと考えています」
「いま実際に店頭で買い物をされている方の中では、やはり訪日外国人のお客様が増えています。円安を背景とした消費が大きくなっています。国内の個人消費でいうと、賃上げの効果がまだ表れているのか否かがわからない状況です。いわゆる国内の中間層の消費に力強さが戻ってきたのかと言えば、そこまで実感は湧いてこないというのが正直なところです」
――中間層の足踏み状態というのは、扱う商品ではどの分野で感じますか。
「アパレルですね。コロナ前…