訪欧中の中国の習近平(シーチンピン)国家主席が7日夜、2カ国目の訪問地・セルビアの首都ベオグラードに到着した。7日は現地で25年前、旧ユーゴスラビアの中国大使館が米国が主導する北大西洋条約機構(NATO)軍の誤爆を受けた日にあたり、米中の緊張が高まる中で象徴的な意味を込めたとみられる。
習氏は7日、1カ国目の訪問先であるフランスのマクロン大統領の招待で、南西部のスペイン国境に近いピレネー山脈を訪れていた。しかしその日のうちに東へ離れたセルビアに向かい、事件当日にベオグラードへ入ることへのこだわりを見せた。
国営新華社通信によると、習氏はセルビア紙への寄稿で「この時を我々は忘れることはない。25年前のきょう(7日)、中国大使館がNATOの爆撃を受け、3人の中国人記者が亡くなった。中国人民は平和を重視するが、歴史の悲劇を繰り返すことは決してしない」と強調した。
国内向けに愛国心を、外には「痛み」アピールか
コソボ紛争下の1999年に…