戦後詩に女性の視点から新しい風を吹き込んだ詩人の白石かずこ(本名・嘉壽子〈かずこ〉)さんが14日、心不全で死去した。93歳だった。葬儀は親族のみで行い、後日、お別れの会を開く予定。喪主は夫菱沼眞彦(のぶひこ)さん。
1931年、カナダ・バンクーバー生まれ。10代後半で北園克衛の詩誌「VOU」に参加。早稲田大在学中の51年、第1詩集「卵のふる街」を発表。71年、詩集「聖なる淫者の季節」でH氏賞を受賞。73年、米国アイオワの国際創作プログラムに招かれた。国際詩祭で朗読するなど海外でも活躍。「砂族」で藤村記念歴程賞、詩集「現れるものたちをして」で高見順賞、読売文学賞。98年に紫綬褒章。