第75回愛知県高校優勝野球大会(県高校野球連盟主催、朝日新聞社など後援)は3日、岡崎レッドダイヤモンドスタジアムで準決勝があった。豊川は今春の選抜大会出場の至学館に競り勝ち、東邦は中京大中京を延長タイブレークの末に破った。決勝は4日午前10時から同球場で行われる。両校は、24日から三重県で開かれる春季東海地区大会への出場も決めた。
「自分が投げきる」 東邦・久田泰心投手が十回完投
(東邦5-2中京大中京=延長10回タイブレーク)
東邦のエースは最後まで崩れなかった。
3点を勝ち越した後の十回裏、2死二、三塁。「この打者を塁に出したら流れに乗られる」。残る力を振り絞った130球目で最後の打者を左飛に抑え、完投で試合を終えると、久田(くだ)泰心投手(3年)は仲間と喜びを爆発させた。
昨秋までは直球に頼った投球だったが、冬の期間の練習で、変化球でかわす術も会得。今大会は2回戦から豊橋中央、愛知啓成、西尾東を相手に3試合連続完封と、投げる度に自信を深めてきた。
この日、八回に初失点となる同点打を浴びたが、それでもひるまなかった。「点を取られるのは覚悟の上。4、5番に打順が回ればまた点を取ってくれる」
チームメートの「泰心、落ち着いていけ」という言葉にも、「自分が投げきるから」と力強く応え、九回には3者連続奪三振。十回も打者3人をねじ伏せた。「『投げれば勝てる』のがエース。一試合ずつ、集中して戦い抜きます」