陸上の日本選手権(東京・国立競技場)で、「再スタート」を切った選手がいる。
男子400メートル障害で2019年ドーハ世界選手権代表の豊田将樹(27)=富士通=だ。第2日の5日、予選(全3組)で49秒55をマーク。着順では入れなかったものの、タイムで6日の決勝へ進んだ。
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レース後、反省が口をついた。メリハリをつけた走りを目指したが、周囲の選手を意識するあまり「前半で疲れてしまう走りをしてしまった」。好調時ならば、トラックでは「何も音が頭に入ってこない」。この日は色々な音が聞こえて集中しきれなかったという。
仕方のないことかもしれない。日本選手権出場は、3位に入った2022年以来となる。
その約10日後の6月21日、人生が一変する。
1カ月ほど前に受けたドーピ…