年金手帳と年金振込通知書(画像の一部を加工しています)

 老後の暮らしを支える年金制度をどう見直すのか――。5年に1度の改革を来年に控え、厚生労働省は5日、社会保障審議会で詰めの議論を始めた。最大の焦点は、目減りする基礎年金(国民年金)の水準をどう維持するか。厚労省の腹案には兆円規模の財源確保が欠かせない。衆院選で政権基盤が弱まる中、負担増の難題に取り組めるのか、先行きは見通せない。

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 5日の年金部会で議論されたのは、働き方や生活スタイルの多様化に合わせた年金給付水準の新たな示し方など。ただ「大事なテーマだが、政権の状況を踏まえた影響がより少ないもの」(厚労省幹部)だ。

 年末に向けて議論される大玉が、基礎年金の底上げ対策だ。

 公的年金の見通しは楽観できない。7月公表の将来推計によると、働く人の数や賃金上昇のペースが鈍いと想定したケースで、年金の給付水準は今よりも約2割減る。

低下著しい基礎年金 からくりは

 現役世代の手取り収入に対す…

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