東日本大震災をきっかけに神奈川県大和市の建設会社が8年がかりで商品化した耐震シェルターが売れている。寝室に絞って補強することで費用を抑えた。昨年元日の能登半島地震を機に注文数は前年の1から35に。全国展開も視野に入れている。
考案したのはミホ工業の宮崎保社長(55)。大手の住宅設備機器メーカーで働いていたが、30歳を過ぎたころ、今の会社を立ち上げた。
東日本大震災が起きてすぐ、前の勤め先から声がかかり、火力発電所を動かすために事務所再建を手伝った。「車は建物によりかかり、建物の中はしっちゃかめっちゃか」。惨状を見せようと、社員数人を連れ、宮城県南三陸町にボランティアにも出かけた。
災害現場を見て地震被害を少しでもなくしたいとの思いが持ち上がった。建設会社を営む自分にできるのは、家の倒壊で亡くなることがない社会をつくること。ただ、家全体を耐震補強すれば費用がかかる。お金に余裕のある人だけでなく、一人でも多くのお年寄りに安全な家に住んでもらうにはどうしたらいいか。
手頃な値段でできる耐震ベッ…