米作りから、醸造、販売まで、すべて赤城山麓(さんろく)(群馬県)で行われる日本酒がある。生産されるのは4合瓶換算で年1200本だけ。自他ともに「もって2、3年」とみていたが、知る人ぞ知る名酒に育ち、20周年を祝う会が20日、開かれる。
青々とした若い稲の足元で、小さなカブトエビが気持ちよさそうに泳ぐ。地元の人たちが「赤城南面」と呼ぶ赤城山麓の前橋市西大室町にある2反7畝(せ)(約2700平方メートル)の田んぼで、酒米「若水」が今年もすくすく育っている。この「若水」から、日本酒「緑の風が吹く街から(緑風街)」ができる。
年齢も職業も多彩な地元の有志による「緑風街倶楽部」(町田明弘会長)が田植えから収穫までを手がける。水田も、倶楽部の中心メンバーで専業農家の岡野公彦さん(68)が提供したものだ。
この水田で収穫した「若水」を、ここから約4キロの「柳沢酒造」(同市粕川町)に持ち込み、赤城山の伏流水で「緑風街」を仕込む。
前橋高の同窓会がきっかけ
「地元の米でつくったうまい…