2024年12月、大統領就任前のトランプ氏とそろって会見するSBGの孫正義氏(左)。SBGによる1千億ドル(約15兆円)の投資計画を打ち出した=ロイター

 ソフトバンクグループ(SBG)は19日、経営不振に陥っている米半導体大手インテルに、20億ドル(約3千億円)を出資すると発表した。AI(人工知能)半導体で大きく出遅れ、赤字に陥ってしまったインテルに対し、SBGの孫正義会長兼社長がこのタイミングで出資を決めたのはなぜか。

 SBGはインテル株を1株あたり23ドルで取得する。米CNBCによると、今回の出資でSBGはインテル株の約2%を握り、第5位の株主になるとみられる。ただ、SBGは取締役会の議席を求めず、インテルの半導体の購入を決めたわけでもないという。

業界の盟主凋落がもたらした「買い時」

 インテルは、最先端半導体を製造できる唯一の米国企業だ。半導体産業の「盟主」と言われ、2010年代前半ごろまではコンピューターの頭脳にあたるCPU(中央演算処理装置)市場で100%近いシェアを誇っていた。

 ところが、AI向け半導体の開発では米エヌビディアに、製造でも台湾積体電路製造(TSMC)に後れをとったことで、不振が続いていた。

 一方でSBGは、「AI覇権…

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