「えだまめダンス」を披露する学生たち=2025年4月18日午前11時6分、千葉県松戸市の聖徳大短期大学部、青瀬健撮影

 【千葉】踊って、歌って、子どもたちに地元・松戸のことを自然に知ってもらいたい。そう願って聖徳大学短期大学部保育科の学生たちが、様々な教材作りに取り組んでいる。活動は今年、11年目に入った。

 「むらさきいろの はなさいた」「おいしい みどりの まめさ」。両手で様々なポーズをとりながらステップを踏み、全身を動かす。

 4月中旬の同大キャンパスで、保育科「まつどソング研究グループ」の2年生6人が、「えだまめダンス」を見せてくれた。音楽に合わせた創作ダンスだ。

 松戸市特産の枝豆をモチーフにし、作曲に作詞、振り付けまで学生によるものだ。昨年末には市内の保育園で園児たちに披露。担当教員で音楽が専門の准教授、春日保人さん(48)によると、園児らのノリは「大変なもの」で、覚えも早かったという。「枝豆は松戸の特産品ですよ、と伝えなくても、自然に身近になります」

 グループ最初の作品は2016年に発表した「ふるさとソング《まつどでかくれんぼ》」。学生が街を歩いて感じ取ったことを地名を使わず歌詞に落とし込み、それはいったいどこなのか、想像してもらえるよう仕掛けた。例えば「ハスのは りょうてに かさがわり」は、21世紀の森と広場(同市千駄堀)の一角、といった具合だ。CD500枚を制作し、市内の幼稚園や保育園、小学校に配った。

 その後、表現方法やジャンルを広げていくつも教材を生み出した。戸定邸(同市松戸)に住んだ徳川昭武を描いた「飛び出す⁈大型絵本『あきたけさんパリにゆく』」▽かくれんぼかめさんのえかきうた▽アイスクリームの手あそびうた、などだ。

 「えだまめダンス」の制作過程を体験した埼玉県出身の2年生、宇梶愛乃さん(19)は、「小さいころから地元のことに詳しく触れられるのは、自分になかった貴重な体験になると思う」。本多栄佳さん(19)は「子どもたちも自分たちも楽しくなることを大切にしている」と話す。

 11年目の今年は、市の形を亀に見立て、大きな亀の地図の上に子どもたちが制作したオリジナルの家や建物を配置して「まち」を作る活動を予定している。

共有
Exit mobile version