静岡県伊東市の田久保真紀市長が辞職を撤回し、続投を表明した7月31日夜の記者会見の直前、続投する考えを告げた田久保氏に対して市幹部が総意で翻意を求め、続投にノーを突きつけていたことがわかった。続投会見から一夜明けた1日、市役所には朝から抗議の電話やメールが殺到した。市民不在の「田久保劇場」に市職員の苦悩と疲弊の度合いが深まっている。
- 経歴詐称疑惑の伊東市長、事前表明していた「月内辞職」せず続投表明
田久保氏と市幹部による臨時政策会議は31日午後4時から1時間開かれた。田久保氏は45分間出席し、部長級の幹部を前に、辞職の方針を撤回し続投することを告げたという。これに幹部は猛反発し、「当初の方針通り、辞職して出直し市長選に出馬すればいいのではないか」という意見が相次いだ。午後8時からの会見にはまだ時間があったことから、幹部の総意として「記者会見までに考え直すべきだ」と進言したという。
近持剛史企画部長らによると、会議で田久保氏は、現在欠員になっている副市長や教育長の人事案を9月議会に諮る考えを示した。これに対し市幹部からは、議会の理解は得られず「否決されるだろう」という指摘が相次いだという。
田久保氏の学歴詐称疑惑は、6月初めに全市議に届いた匿名の告発文書がきっかけで明るみに出た。市には7月31日現在で3千を超える電話やメールが届き、ほとんどが苦情と田久保氏の辞職を求める内容だという。ストレスで体調を崩した職員もいることから、会議では田久保氏に対し、「あなたが電話に出て対応して」という声も上がったという。
「田久保劇場いつまでやるのか」 にじむ怒り
部下である市職員の理解は得…