記者会見で「背後から突き落とされた感覚」と話す作家の深沢潮さん(右)と代理人の佃克彦弁護士=2025年8月4日午後3時52分、東京都千代田区、伊藤宏樹撮影

 7月24日発売の「週刊新潮」が掲載したコラムで、「日本名を使うな」などと作家の深沢潮さんらが名指しで差別を受けた問題で、発行元の新潮社は深沢さん側に対し、「差別的かつ人権侵害にあたるようなコラムを掲載するような考えは毛頭ございませんでした」などと見解を示した上で、「厳しいご批判を受ける事態に至った」などと謝罪した。文書は12日付。深沢さんの代理人弁護士が明かした。

 深沢さんは、新潮社に文書での謝罪と、批判・反論をするための紙幅を誌上に確保するよう求めていた。

 深沢さんの代理人によると、新潮社は回答で「高山氏が言うところの真意が極めて伝わりづらいものとなっており、それどころか、深沢様をはじめ多くの方に『差別である』『人格権を著しく侵害する』と厳しいご批判を受ける事態に至ったことはまことに申し訳なく、深く反省しております」と謝罪した。

 代理人は、回答が「“批判を受ける事態”について『申し訳なく』『反省』しているとの趣旨」であるようにしか読み取れないと指摘。コラムの内容が「差別的かつ人権侵害にあたる」との認識を持っているのかなどについて回答するよう、改めて文書で求めた。

 また、紙幅の確保については、「分量や方法」について「別途ご相談させていただきたい」との回答にとどまったという。

 新潮社は、深沢さん側への回答内容や今後のコラム掲載について尋ねた朝日新聞の取材に対し、「深沢様個人とのやりとりですので、弊社からの公表は差し控えさせていただきます。今後とも誠意をもって対応してまいります。また、毎号の編集内容については、事前には公表しておりません」と回答した。

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