若くしてスーパースターとなった大谷翔平さん。63歳でデビューし、「おらおらでひとりいぐも」で芥川賞を受賞した同郷の小説家、若竹千佐子さんはどのように感じているのでしょうか。話を聞きました。
夢がかなわずお見合い結婚
大谷翔平さんはまだ30歳なんですね。この若さで、すごい。同郷のおばちゃんとしては、自慢したくなる存在です。私はデビューが63歳。長い時間がかかったわけですが、必要な時間だったと感じています。
30歳といえば、私は結婚してすぐの時期です。子どもの頃からずっと「小説家になりたい」という夢があり、学校の先生をしながら小説を書こうと思っていたのに教員に正規採用されず、生活基盤が成り立たないためお見合い結婚したのが28歳。「これはこれで私の人生」と受け止め、幸せに過ごしてきました。
だけど「これだけじゃ物足り…