北朝鮮の首都平壌で今月、6年ぶりに「平壌国際マラソン」が開催された。北朝鮮は新型コロナウイルス対策を理由に国境間の往来を制限しているが、外貨獲得手段として観光業に力を入れてきた経緯があり、今後、観光客の受け入れ拡大に踏み切る可能性がある。かつて約35万円のツアー料金を払って大会に参加したインドネシア人男性に話を聞いた。
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朝鮮中央通信によると、4月6日に開かれた第31回大会は、フルマラソン、ハーフマラソン、10キロ、5キロの競技に分かれ、中国やルーマニア、エチオピアなどの海外選手も参加。金日成(キムイルソン)競技場を発着点に平壌市内にコースが設けられたという。
開会式には朝鮮労働党幹部らも出席し、沿道では「労働者と青少年、学生たちが熱烈な拍手喝采を送りながら鼓舞した」と、同通信は報じている。
大会ホームページによると、海外からの参加者は、大会の「独占パートナー」という中国・北京の旅行業者「高麗ツアーズ」を通じて申し込む必要がある。北朝鮮では海外からの入国を大幅に制限する状況が続くが、今回のマラソン参加者は「例外が認められている」としている。
インドネシア第2の都市スラバヤに住む男性(47)は、16年に開催された大会に参加した。「西側メディアが『非常に閉鎖的な国』として報じる北朝鮮が本当に恐ろしい場所なのか、気になっていた」と、参加した理由を語る。
インドネシアは1965年に…