2016年3月の開業から赤字が続く第三セクターの道南いさりび鉄道(五稜郭―木古内、本社・北海道函館市)は30日、26~30年度の第2次経営計画案を、北海道と函館市、北斗市、木古内町でつくる沿線協議会に示した。赤字補塡(ほてん)をしてきた道と3市町に5年間で総額13億8千万円の支援を求める内容で、協議会側から反論は出ず、3月に了承するかを決める。
16~23年度の経常収支は計16億5800万円の赤字で、補塡のために同期間に道と3市町が負担した経営安定化補助金は計15億3700万円に上る。
計画案には収支改善策として、①運賃を今年4月に平均10.8%値上げ②保有車両を9両から8両に削減③26年3月のダイヤ改定で運行本数を1日34本から31本に削減――を盛り込んだ。5年間の効果額は、①4400万円②5700万円③6500万円の計1億6600万円を見込む。
それでも経常赤字は5年間で14億7300万円となり、道と3市町に経営安定化補助金13億8300万円の支援を求めた。さらに施設・設備の老朽化により設備投資に7億1千万円を見込み、別の支援も必要だとしている。
協議会は今後、道と3市町で経営安定化補助金の負担割合の見直しについて協議することも確認した。現在、出資割合に応じ道80%、北斗市11.2%、函館市と木古内町各4.4%となっている。
いさりび鉄道は五稜郭―木古内の37.8キロで旅客列車を運行する。同区間ではJR貨物が線路使用料を払って貨物列車を運行しており、いさりび鉄道の経常収入の9割近くを占める。