境内で福引券を配布する神社関係者たち=2024年8月2日午後7時34分、神戸市中央区、杉山あかり撮影

 神戸市中央区・生田神社の夏祭り「大海祭り」が2日に始まり、例年販売されていた「福引券」が、今年から無料になった。刑法が禁じる「富くじ」の発売にあたる可能性があるとして、兵庫県警生田署が昨年、神社側に口頭で注意していた。

 この日午後7時半ごろ、境内にいる人に神社関係者が数字4桁の福引券を1枚ずつ配った。午後9時ごろ、関係者らが箱から紙を引き、当選者の数字を読み上げた。

 当選者には企業などから提供を受けた真珠のブローチやホテルペア宿泊券、ワインといった約130品目が景品として渡された。会場からは、数字が読み上げられるたびに歓声があがった。

 昨年までは1口200円で福引券を販売していたが、生田署は昨年、「富くじ」にあたる恐れがあるとして方法を改善するよう伝えていた。

 富くじは多くの人から集めた金品を抽選で配分し、得する人と損する人を生む行為を指し、射幸心をあおって勤労意欲をそぐなどの理由で刑法が禁じているためだ。

 神社側は昨年、朝日新聞の取材に「派手にやりすぎた部分がある。来年以降のやりかたを検討する」としていた。

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 生田神社は今年、券を無料にすることで「消費者庁などにも問題ないと確認した」という。

 祭りは4日まで。各日とも夜に福引のイベントが予定されている。(杉山あかり)

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