(13日、第107回全国高校野球選手権福島大会1回戦 岩瀬農3―1小名浜海星)
小名浜海星の手代木拓斗投手(3年)は、延長十回タイブレークで敗れるまで1人で投げ切った。対戦した岩瀬農も「最初は荒れ玉だったが、だんだん切れが良くなった」と警戒する投球術だった。
元々は遊撃手。投手を言い渡されたのは今春から。しかも、2年生だった昨秋は2カ月間、野球ができなかった。遠洋航海の実習でハワイ沖まで船に乗っていたからだ。
「その間も、ずっとボールを握っていました。まさか投手をやるとは思っていなかったけれど」
打つ方でも、九回に適時二塁打を放ち、同点に追いついた。二回に押し出しの四球を出したのが痛かった。「あれがなければ勝っていたのに」と悔しさをにじませた。