6月1日の日曜日。
茨城県の複数の高校の硬式野球部でつくる連合チーム「県西連合」が練習試合に臨んでいた。
県立茎崎高校(茨城県つくば市)の外野手、梅山昊(ごう)選手(2年)は右翼を守り、飛球をキャッチした。自然と笑みがこぼれた。捕球したグラブは同校の中田裕大監督(26)が高校時代に使っていた「相棒」だった。
「監督がボクの人生を変えてくれた」
小学5年生のときから軟式野球を始めた。でも、周囲との人間関係に悩み、次第に遠ざかる。
ただ、野球は大好き。中学時代はバスケ部に所属する一方で、テレビで甲子園を見ていた。
進学した茎崎の硬式野球部は活動していなかった。2006年の夏以来、部員数が足りず、公式戦に出場していなかった。そして、12年4月、全日制から午前と午後、夜間の3部がある定時制に切り替わり、あわせて休部となった。
「一緒に野球をやろう」
中田監督は昨年4月に同校へ…