選択的夫婦別姓を導入するための法案を衆院に提出する立憲民主党の黒岩宇洋衆院議員(右から5人目)ら=2025年4月30日午前、国会内、南有紀撮影

 立憲民主党は30日、選択的夫婦別姓の導入に向けた民法改正案を衆院に提出した。衆院で与党が過半数割れする中、幅広い党派の理解を得て実現を図るため、「子の姓」を決める時期を「出生時」から「婚姻時」に改めた。ただ、現状では与野党で賛同は広がっておらず、6月22日に会期末を迎える今国会中の成立は困難な情勢だ。

 立憲の法案は、国民の価値観の多様化や世論の動向を踏まえ、選択的夫婦別姓について「個人の尊重と男女の対等な関係構築の観点から、制度を導入する必要がある」と主張。2022年に野党5党で法案提出した際は、子の姓を決める時期について、子を持たない選択をする夫婦などに配慮し「出生時」と定めていたが、今回は「婚姻時」に変更した。自民党などで「きょうだい間で姓が異なる可能性がある」との懸念が出ていることを踏まえ、制度導入を優先するために譲歩した。

 22年に法案提出した野党の枠組みを現状の衆院会派の所属議員数に当てはめると、立憲・社民党が148人で、国民民主28人、れいわ新選組9人、共産党8人と続く。与党内で制度導入を促してきた公明党の24人を加えても計217人で、過半数(233人)には届いていない。このような状況下、国民民主の執行部は「この議論で与野党対決は避ける」(榛葉賀津也幹事長)との立場をとり、22年に連携した野党会派の枠組みも足並みが乱れている。

 自民(196人)や日本維新…

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