ミツバチが行き交うことで生き物のつながりができ、緑化にもつながるとされる都市養蜂が注目されるなか、都市部で養蜂に取り組む学校が参加する「関東学生養蜂リーグ」が15日に設立され、千葉県内外の高校6校、大学11校が参加した。千葉商科大(千葉県市川市)で初会合が開かれ、リーグ加盟校の生徒・学生ら約60人が出席。養蜂活動について報告するとともに、悩みや疑問などを語りあった。
都市養蜂で最大の問題は、群れに新しい女王バチが生まれ、それまでいた女王バチが約半数の働きバチを連れて巣を出る「分蜂(ぶんぽう)」。用意した巣箱にうまく導けないと、街路樹などにハチが群れをなし、近隣の住民から苦情が来るからだ。
基調講演で安田学園中学・高校(東京都墨田区)教諭の小島直樹・生物クラブ顧問が、人工的に分蜂させる技術などについて話した。
女王バチが遠くに飛んでいかないように、新たに生まれたら片方の羽を切り落として飼う方法などを報告。約10年前から養蜂を始めた同校は、人工分蜂させたハチを越冬させて数を維持しながらハチミツを採取していることも説明した。
参加校も、それぞれの取り組みを報告した。
電気通信大(東京都調布市)のサークルは、防犯カメラの映像とAI(人工知能)の技術などを活用し、遠隔でもスズメバチの襲来を事前に検知できる仕組みを紹介した。
千葉大(千葉市)の学生は、国内の養蜂で主に飼育されるセイヨウミツバチとニホンミツバチがどんな花の元に飛んでいくのか、花粉のDNAから識別する方法などの研究を示した。
事務局長を務める千葉商科大の和田義人教授は「マーケティング、養蜂技術など各学校に得意分野がある。互いが問題に直面したときに相談できるようなつながりができれば」と話した。