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【連載】高校思い出クリック~青春群像記~

高校をシリーズで紹介する企画。今回は東京都立多摩科学技術高校の2回目です。

 生徒全員が理系という前提のもとカリキュラムが組まれる東京都立多摩科学技術(タマカギ)では、最先端のコンピューターや顕微鏡などの設備が整い、近年はJSEC(高校生・高専生科学技術チャレンジ)など全国規模のコンテストでも相次いで上位進出を果たしている。1年生の2人に、多摩科学技術を選んだ理由や志を聞いた。

「ミスった?」から始まった高校生活

 あ、ミスったかもしれない――。1年前、多摩科学技術の入試を受けた大塚優理子さんは、動揺した。周囲に男子しかいなかったからだ。

写真・図版
「物理領域の研究を深めたい」という大塚優理子さん=2024年12月25日午後2時11分、東京都小金井市本町6丁目、中村英一郎撮影

 別の都立高校に出願していたが、締め切り直前に両親から「今はITの時代。こっちのほうがいいんじゃない?」と言われ、あまり深く考えずに願書を出し直した。入学してみると3割が女子だったが、受験中は不安だった。

 「人を喜ばせる科学技術」が、小さいころから好きだった。父に連れられ科学博物館の常連に。特に好きだったのは、コインがくるくる回る募金箱だ。飽きずに眺めた。「心の内から、好奇心が芽生えすぎていた」

 入学したのは間違いではなか…

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