秋田県湯沢市で、酒の搾りかすを練り込んだ「酒粕(かす)うどん」が発売された。酒どころ・秋田を支える酒米産地で、酒蔵も抱える同市。地元の酒粕活用に取り組む「酒粕本舗」にとって、本格的な商品化は初めてという。
酒粕本舗によると、酒粕うどんは国産小麦粉を使った幅広の平打ち麺。生地に酒粕を練り込むため、ゆで上がった麺がほのかに香る。酒粕を低温で、ゆっくり発酵させたら、練り込みやすくなり、味も安定したという。
湯沢市などによると、同市は酒米の作付面積が県内の半分以上(2023年産米)を占め、酒蔵も4社が立地する酒どころ。
ただ、日本酒の製造過程で生じる大量の酒粕は近年、産業廃棄物として問題視されていた。
酒粕本舗の松田一彦代表は本業(測量業など)の傍ら、6年ほど前から酒粕の有効活用を模索して、うどんに着目。半年ほど試作を重ねて昨年末に完成したという。
1袋200グラム入り(2人用)で税込み540円。市内の老舗酒蔵「木村酒造」の酒粕を使い、製造は市内の製麺会社に委託。道の駅おがち、イオンスーパーセンター湯沢店などで販売している。
今後は、市内の他の酒蔵から出る酒粕も使う予定で、市外での販売やネット通販も準備中。
松田代表は市内の飲食店と「秋田・湯沢酒かす友の会」を結成。各店が独自に酒粕メニューを開発するなど、酒粕の有効活用による食品ロス削減に取り組んでいる。
自身も酒粕商品の開発を続け「商品の販売実績と同時に湯沢の知名度も上げたい」と意気込む。問い合わせは松田代表(090・1378・6792)へ。