点呼を受けずに配達員が飲酒運転していたことが発覚した戸塚郵便局=2025年3月12日午後1時46分、横浜市戸塚区、小林一茂撮影

 日本郵便の横浜市内の郵便局で昨年5月、配達員が業務時に酒を飲んで酩酊(めいてい)した状態で自動車を運転していた問題で、同社が事案を神奈川県警に通報したのは発生から11日後だったことがわかった。同社は取材に通報遅れを認め、「事実確認を優先したが、一報を早く報告するべきだった」としている。

 日本郵便や同社の内部文書などによると、飲酒運転は昨年5月11日、同市戸塚区にある戸塚郵便局で起きた。配達員が午後7時半ごろ郵便局に戻った際、配達員のアルコール臭に気付いた担当者が検知器で検査。3回測定し、呼気1リットルあたり0.40~0.63ミリグラムのアルコールが検出され、同社は「酩酊状態」と判断した。道路交通法では、呼気で0.15ミリグラム以上で「酒気帯び」とする。

 配達員はこの日、午前2時ごろまで飲酒して出勤。乗車前の点呼を受けず、白ワインをペットボトルに入れて持ち込み、昼間に車中で飲酒していた。夕方には運転が荒く、赤信号を無視していたという。

 戸塚郵便局を管内に持つ県警戸塚署と日本郵便によると、同社の南関東支社の担当者が署を訪れ、事案を説明したのは同22日で、事案発生から11日後だった。同署は、配達員の聴取など捜査に関しては取材に答えなかった。

 捜査関係者によると、飲酒運転を検挙するには、発生直後に警察で呼気検査を実施することなどが必要で、時間が経つと困難になる。

国交省への報告も9日後

 日本郵便によると、配達員は…

共有
Exit mobile version