政海コンパス

連載コラム「政海コンパス」 政治部長・松田京平

このコラムは…

日本政治のこれからを展望します。過去に学び、永田町はもちろん地方や海外にも視野を広げ、未来を見据える。先行きが読めない時代に、政治という大海原を見渡すための羅針盤となるようなコラムをめざしています。

 対決か、協調か――。政権との距離をどう測るかは、野党に突き付けられる課題である。合意形成を図るのが国会の役割。少数与党の今は自分たちの主張をのませることで政策実現ができる。ただし政権に近づきすぎると、与党との違いは見えづらくなり、政権を利する。政治のあり方を考える根源的な問いだ。

 立憲民主党の野田佳彦代表は通常国会の会期末、内閣不信任案の提出を見送った。「石破政権の足を引っぱるのではなく、しっかりやれよとお尻をたたくことが責任ある態度だ」という。確かに日米関税交渉は長期化する様相で、中東情勢は緊迫している。石破茂首相に退場を迫る時期ではないというのは、理屈としては成り立つ。

内閣不信任案提出見送りに関して、記者会見で質問に答える立憲民主党の野田佳彦代表=2025年6月19日、国会内、岩下毅撮影

 だが本音は、政権奪取の準備…

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