野村萬斎さん=小山幸佑撮影

 民主主義、ジェンダー、AI……。国内外で活躍する専門家らが、私たちが直面する課題と目指すべき未来を話し合う「朝日地球会議2024」が25日、東京ミッドタウン八重洲カンファレンス(東京都中央区)で開幕する。今年のテーマは「対話でさぐる 共生の未来」。無料で視聴できる多彩なオンラインセッションも合わせて、見どころを紹介する。

記事の末尾に、オンラインセッション動画の視聴お申し込みができるページへのリンクがあります。

世界が注目の識者3人が語る

 世界的に知られる3人が地球会議のインタビューに応じた動画が、すでに先行配信されている。

 米デューク大教授の法倫理学者ニタ・ファラハニーさんへのインタビューでは、脳波を読み取る最新技術によって人の思考や感情のデータ利用が始まっているなかで、人間の「認知の自由」をどう守るかについて聞いた。ファラハニーさんはこの分野の第一人者だ。

 米コロンビア大教授で歴史学の世界的権威であるマーク・マゾワーさんへのインタビューでは、世界的に民主主義が退潮する要因と課題を歴史から見据え、新たな世界秩序の構想を探った。

 ネットで世論を操る「仕掛け人」に注目した政治評論家で作家のジュリアーノ・ダ・エンポリさんには、欧州統合やウクライナ紛争の行方、グローバリズムに疲弊し分断された社会への影響を語ってもらった。

戦争、NISA、ジェンダー…… 今後も動画を公開

 27日正午からは、「斎藤幸平が語る文明と世界2024」が配信される。現在は研究や講演の拠点をドイツに置く気鋭の思想史家、斎藤さんが、気候変動や戦争、貧富の格差、急速に進化するAIなど、危機と変化のただ中にある私たちの文明が向かう先について語る。

 28日正午の「新NISA時代のサバイバル術 資産運用立国のリアル」では、新NISAやiDeCoなど投資への関心が高まる中、日本経済の現在地を見据えながら、投資の真の目的と意味を議論。ベストセラー「きみのお金は誰のため」でお金と社会の関係を問い直した田内学さんと、若者への金融教育に力を入れる横川楓さんが、お金に振り回されずに生き抜くヒントを示す。

 31日正午からの「ジェンダー平等 まず大学が変わらないといけない件」では、「ビリギャル」から慶応大に現役で合格した小林さやかさん、東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構教授の横山広美さんらが、教育とジェンダーについて話し合う。

リアル会場の様子は、朝日新聞に掲載予定

 リアル会場では初日の25日、「『戦後』の終わり? 暗黒か ユートピアか」と題したセッションがある。米ソ冷戦が35年前に終結したが、世界は不安定さを増す一方だ。冷戦をキーワードに国際政治を研究する東京大教授の板橋拓己さんと、イスラエルを中心とした中東政治に詳しい慶応大教授の錦田愛子さんが、揺らぐ国際秩序の先にあるものを議論する。

 26日のセッション「AIがヒトを超える時代に考える 『人間』とは?」では、狂言師の野村萬斎さんと全脳アーキテクチャ・イニシアティブの山川宏代表らが登壇。頼れるパートナーにも、人の尊厳や生存への脅威にもなりうるAIを題材にして「人間」についての議論を深める。

 リアル会場の参加受け付けは締め切られているが、各セッションの様子は朝日新聞の紙面とデジタル版で後日掲載する予定だ。

8がけ社会、Re:Ronなどのセッションも

 朝日新聞社内外のメディアや企画などと連携して催すセッションもある。朝日新聞本紙の連載「8がけ社会」▽国際交流基金▽科学雑誌Newton▽言論サイトRe:Ron▽GLOBE、ニュースサイトwith Planet▽WEBメディアかがみよかがみ▽SDGs専門メディアSDGs ACTION!などとの連携がある。

  • 【オンラインセッション動画の視聴お申し込みはこちらから】朝日地球会議2024のプログラム

【主催】 朝日新聞社

【共催】 テレビ朝日

【特別協賛】 旭硝子財団、サントリーホールディングス、JR東日本、日本たばこ産業、三井不動産、三菱地所、明治

【協賛】 MS&ADインシュアランスグループ

【特別協力】 品川区

【協力】 グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン、朝日学生新聞社、CNET Japan、ハフポスト日本版、森林文化協会、ゼロボード、ポーラ伝統文化振興財団

【特別共催】 国際交流基金

【後援】 総務省、外務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省、東京都

【動画】野村萬斎さんが朝日地球会議の対談に向けメッセージ=丸山玄則撮影

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