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【ニュートンから】楽器のサイエンス(3)

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楽器のサイエンス

 息を吹きこんで音を出す管楽器は,弦楽器のような共鳴のためのボディはもたない。かわりに管内の空気である「気柱」を共鳴させて音を増幅する。

 管楽器は,リコーダーやクラリネットなどの「木管楽器」と,トランペットやトロンボーンなどの「金管楽器」の大きく二つに分けられる。木管楽器は木製,金管楽器は金属製だと誤解されることが多いが,実は木管楽器と金管楽器のちがいは材質ではない。両者のちがいは振動の発生源だ。金管楽器はくちびるをふるわせることで音を出す楽器のことだ。そのため金属製ではないが,ほら貝や角笛も金管楽器に分類される。

 金管楽器以外の管楽器が木管楽器とよばれる。金属製のフルートや陶器でできたオカリナも木管楽器だ。クラリネットやオーボエでは「リード」とよばれる薄い板を振動させて音を出す。リードはアシという植物の茎を加工してつくられる。リコーダーやフルート,オカリナでは,息を吹きこむ際に生じる空気の振動で音を出す。この空気の振動は「エアリード」とよばれる。金管楽器を演奏する際のくちびるの振動のことは「リップリード」とよばれる。

 弦楽器では振動する弦の長さを変えることで音高を変えていたが,管楽器では主に振動する気柱の長さが音高を決めている。木管楽器では,指でふさぐ穴(音孔)をすべておさえると気柱は長くなり,最も低い音が出る。音孔を下から開いていくと,閉じている下端が振動する気柱の下端になり,音が高くなっていく。曲がった管をもつ楽器も多いが,音高は管の曲がり方にはほとんど関係ない。金管楽器ではバルブなどを使って管の長さを変えることで気柱の長さを変えている。

初心者でも音が出せる リコーダーのしくみ

 フルートはエアリード方式の楽器だ。管楽器の息を吹きこむ部分は「歌口(うたぐち)」とよばれる。フルートでは,歌口の向こう側の角(エッジ)に息を吹きつけることで,空気が管の内部と外部に交互に流れて振動する。息を適切な角度と強さでエッジに当てる必要があるため,初心者ではうまく音が鳴らないこともある。

 小学校の音楽の授業でおなじ…

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