兵庫県太子町にある古寺・斑鳩寺が所蔵する国重要文化財「紺紙金泥(こんしきんでい)釈迦三尊十六羅漢像」について、絵のタイトル通りの金泥ではなく、真鍮(しんちゅう)を材料とする「鍮泥」で描かれていたことが、京都国立博物館と町立歴史資料館の共同研究でわかった。
彩色に鍮泥を使った国内最古の例だという。
この絵は釈迦三尊像1幅(縦約1メートル、横約48センチ)と十六羅漢像4幅の計5幅で構成されていて、紺色の紙に金色の絵が描かれている。絵の様式などから平安時代後期の11世紀後半の作と推定される。
歴史資料館によると、天文10(1541)年に焼失した斑鳩寺の復興支援のため、天正5(1577)年に奈良県斑鳩町の世界遺産・法隆寺の華薗院(花園院とも)という子院から寄贈されたとの記録が残っている。現在は歴史資料館に寄託されている。
2022年4~5月に京都国…