Smiley face
写真・図版
声優・タレントの金田朋子さん=東京都中央区、堀越理菜撮影

 自分の声があまり好きではない。そんな話を耳にすることも多い。私も録音した自分の声を聞くのは苦手だ。声の高さや声色で相手に与える印象も変わるから、余計に気になってしまう。生まれ持った声を好きになるには? 唯一無二の高い声を生かし、声優・タレントとして活躍する金田朋子さんに聞いた。

自分の声にびっくり

 ――自分の声を意識し始めたのはいつですか。

 最初に違和感を持ったのは、小学校で放送部員だった時でした。本当は放送室の窓を閉めないといけないのですが、暑かったので開けたままにしたことがあったんです。「下校の時刻になりました」という自分の声が外から返ってきて、こんな声だったのかとびっくりして思わず笑ってしまいました。特徴がある声が嫌になることもあり、留守電を残す時に少しでもちゃんとした声にしたくて何回もとり直したこともありました。

 ――特徴的な声で、困ったこともありましたか?

 周りの友人たちはどんどん大人の女性に成長していく中、私は背も低いし、声も子どものままだったので、「ルパン三世」に出てくる峰不二子さんみたいな女性に憧れましたが、なれませんでした。大人になってからバイキングに行って中学生に間違われ、「違います」と言ったら、「じゃあ小学生ですか」と言われたこともありました。

 大学卒業後は、デパートや銀行などに勤めていました。クレーム電話の対応もするのですが、真面目に一生懸命話しても、声に緊迫感がないのでふざけているように思われるという事態をよく招いていました。うまくいかないなあ、と思うことが多かったです。

声優の道へ、一方で新しい壁も

 ――声に対する思いは変わっていったのでしょうか。

 姉に勧められて、習い事感覚…

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