筆者の荒木文宏副館長(左)と奥原哲志主幹学芸員=さいたま市大宮区の鉄道博物館

 朝日新聞の埼玉版などに連載中のコラム「てっぱく発 鉄路さいさい」が、岩波ジュニア新書から「てっぱく発 鉄道物語」(新書判、246ページ、税込1089円)として書籍化された。全国の書店などで販売されている。

 コラムは、鉄道博物館(さいたま市大宮区)の副館長の荒木文宏さん(83)と主幹学芸員の奥原哲志さん(60)が筆者で、2016年4月から朝日新聞に連載を開始した。主に荒木さんが鉄道の技術面、奥原さんが歴史面を担当している。

 1872年に新橋―横浜間で鉄道が開業してから150年余の車両や路線の変遷、技術の進化などを時代背景とともに、わかりやすく解説している。連載は、当初は埼玉版だけだったが、2024年からは北海道や東北、九州などの地域面にも掲載されている。

 書籍化にあたり、24年7月までに掲載された105本のコラムを、新たに「車両あれこれ」「鉄道こぼれ話」「乗車の楽しみ」など六つのジャンルに再構成した。20年8月のコラムで取り上げた、新幹線500系が27年をめどに営業運転を終了することが24年7月に発表されるなど、紙面掲載後の状況の変化をふまえて一部を加筆、修正したり、新たに見つかった写真を差し替えたりしたという。

 荒木さんは「いつも何げなく利用している鉄道を、より親しみやすく感じてもらえるように努めて書いた」。奥原さんは「社会インフラの鉄道を知ることで、世の中の仕組みや社会のありようを知ってほしい」と話している。

 書店やネットのほか、鉄道博物館内のショップでも販売されている。

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