「レゴ職人」さとうけいすけさん(32)
「ブロックをずらすと頑丈になるんです。それが『れんが積み』です」。10月中旬、東京・お台場の「レゴランド・ディスカバリー・センター」(LDC)。いつもは子ども向けのワークショップだが、この日の夜は特別に大人だけ。24人の参加者に声をかけながら、30分ほどでサンタクロースとそりの小さなレゴづくりを手ほどきした。
東京と大阪にあるLDCに所属する「レゴ職人」だ。国内では現在4人、海外を含め30人しかいない「マスター・モデル・ビルダー」(MMB)の1人で、主にお台場の施設で働く。年間約1千回のワークショップに参加する子どもは、延べ1万人を超える。
3人兄弟の末っ子。兄たちに交じって、幼いころからレゴに触れた。クリスマスの朝、枕元にお城のシリーズのセットが置かれていたのが、ほぼ最初の記憶だ。説明書に満足せず、ブロックを自分で組み合わせたり、こわしたりする遊びを繰り返した。
初めて納得する「作品」ができたのは小学5年のころ。ロボットだった。「中学生になっても、部屋でこっそりとつくっていました。自分なりの自己表現でした」
- 凄腕しごとにん
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