長崎原爆の投下から79年、国の線引きで、被爆者と認められてこなかった「被爆体験者」が、行政側に被爆者健康手帳の交付を求めた訴訟の判決で、長崎地裁は9日、原告の一部を被爆者と認定した。一括救済を求めてきた原告たちからは、戸惑いの声があがった。
- 【そもそも解説】被爆体験者とは? 置き去りにされた長崎の被爆者
長崎地裁の401号法廷。原告の一部に対して、被爆者手帳の交付を命じる判決が言い渡された瞬間、傍聴席にいた原告からは「えっ」と戸惑いの声が漏れた。
裁判所前では「一部勝訴」と記された旗が掲げられた。原告団の中心的存在である岩永千代子さん(88)は、「なぜ、東側の人たちだけ(被爆者と認める判断)なのか。科学的、合理的な根拠がまったく分からない」と漏らした。
訴状などによると、原告44人(4人は死亡)は、長崎市や諫早市などの78~91歳の男女。
原爆投下時、爆心地から12…