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「子どもを性犯罪からまもるAmynaプロジェクト」は3日、性犯罪マップの閉鎖をブログで伝えた=同団体のホームページから

 インターネット上で公開されていた「性犯罪マップ」が、国の個人情報保護委員会の行政指導を受け、いったん閉鎖された。マップには、性犯罪が起きた場所や「加害者」の情報がまとめられていた。何があったのか。

 マップは、有志団体「子どもを性犯罪からまもるAmyna(あみな)プロジェクト」が3月中旬から4月3日まで公開。団体公式サイトによると、性犯罪歴のある人の所在を示す米国のアプリを参考に、同様の取り組みを国内で実現するため昨年から活動を始めたとある。プロジェクトチームはエンジニアや元国連機関職員など5人が有志として集まったとしている。

 報道された情報などをもとに、過去10年間に性犯罪が起きた場所を地図に落とし、地点をクリックすると事件の概要などが見られる仕組みだ。

「個人のつるし上げ 目的ではない」

 団体のサイトによると、一般公開用と支援者用の2種類があった。一般用は無料で、事件概要や加害者とされる人の住所、被害者の年齢や性別を見られる。支援者用は有料で、月額500円以上を継続して支援すると、事件の詳細、加害者の性別や年齢などを追加で見られる。

 マップが公開されてから、「子を持つ親には有益」と支持する声の一方、「被害者や加害者が特定されるおそれがある」と懸念の声も上がっていた。

 個人情報の適切な管理を監視・監督する政府機関である個人情報保護委は4月3日付で、個人情報保護法に基づき「個人データの第三者への提供」を停止するよう指導した。理由として「個人データ提供について本人の同意がなく、性犯罪の加害者として報道された者への不当な差別が誘発されるおそれがある」などとした。

 朝日新聞は同団体に取材を申…

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