(23日、第106回全国高校野球選手権大会決勝 京都国際2ー1関東第一=延長十回タイブレーク)
「ザ・高校野球」
関東第一のスタイルを表現するなら、そんな言葉がしっくりくる。
豪快な長打はほとんどない。走者が出れば犠打や進塁打で着実に進める。守備なら、捕った打球を確実にアウトにする。準決勝まで3試合連続で1点差の勝利で、頂上決戦へ駆け上がった。
25歳から率いる米沢貴光監督(49)が慕ったのは、自身の恩師であり、のちに日大三(西東京)で全国選手権2度の優勝を成し遂げた小倉全由・現U18日本代表監督(67)だった。
小倉さんの打ち勝つ野球にあこがれ、猛練習でチームを強くしようとした。
だが、就任8年目の2007年。春の都大会で、同じ東東京で圧倒的な存在だった帝京に6―20でコールド負けした。そこから指導と野球のスタイルが変わった。
あらゆるケースを想定した実…