阪急電鉄と阪急阪神ホールディングス(HD)の社長、会長を歴任し、20年以上率いた角和夫氏が亡くなった。
阪急電鉄の社長に就いたのは2003年。バブル期の過剰投資の清算にあえぎ、純損益が過去最悪の893億円の赤字を出した直後。専務2人を飛び越えて54歳での抜擢(ばってき)だった。急拡大で複雑化したグループの事業を整理し、収益が見込める開発にしぼった投資を行った。
角氏の存在がひときわ注目を集めたのが、05年に発覚した村上世彰氏が率いる投資ファンドによる阪神電気鉄道の株式買い占めだった。阪神は当初、京阪電気鉄道との経営統合を模索したが断念。ライバル関係にあった阪神に救いの手を差し伸べたのは「短期的な利益を追求する投資ファンドの経営支配を阻止するため」だ。
「ホワイトナイト」としてフ…