衆院安全保障委で、立憲民主党の渡辺周氏の質問を聞く木原稔防衛相=2024年7月30日午前9時29分、岩下毅撮影

 防衛省・自衛隊の相次ぐ不祥事を受け、衆参両院で30日、閉会中審査が開かれ、木原稔防衛相は一連の問題を陳謝したが、辞任は否定した。潜水手当の不正受給で隊員が逮捕されたことが木原氏に知らされていなかった問題については、「文民統制の観点から非常に問題がある」と認めた。

 同省と自衛隊をめぐっては、潜水手当の不正受給のほかに、無資格の海自隊員が特定秘密を知りうる運用が常態化していた問題、潜水艦乗組員らへの川崎重工業の裏金接待疑惑、防衛省幹部のパワハラなどが相次いで発覚。大量の処分者を出す事態となっている。

 海自の潜水手当の不正受給問題では、警務隊が昨年11月に隊員らを逮捕したが、木原氏に報告されていなかったことが、特に問題視された。木原氏はこの日午前の衆院安全保障委員会で、今年7月5日になって事務方から説明を受けた際の資料に、「注釈」として記されていただけだったと説明。「本来なら昨年11月の逮捕時に報告されるべきだった」とし、自衛隊の文民統制上、対応に問題があったとの認識を示したが、隠蔽(いんぺい)の意図は否定した。

 野党からは防衛相の辞任も求められたが、木原氏は「岸田(文雄)首相から組織を立て直すように指示を受けている。仕事を放棄することが、責任の取り方とは思えない」と述べ、拒否した。

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