6月20日の「世界難民の日」に合わせ、市場調査会社イプソス(本社・パリ)は、29カ国の計約2万3千人を対象に行った調査の結果を発表した。日本人が難民に対し、他国に比べて厳しい視線を持っていることが浮き彫りになった。
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国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、世界には昨年末時点で4270万人の難民がいる。イプソスの調査では、難民の受け入れなどについて意見を尋ねた。
「自国にくる大半の難民は新しい社会に溶け込むことができる」という問いに対し、各国で「同意する」と答えた回答者の平均割合は40%。ただ、日本は17%にとどまり、29カ国中最低だった。「難民は自国に良い貢献をする」は各国平均の40%に対して日本は20%。ハンガリーに次いで2番目に低かった。
また、「裕福な国には難民に財政的支援を提供する道義的責任がある」は各国平均が62%。日本は43%と最低だった。過去1年間で難民支援のための寄付やボランティアをしたかの問いは、「何もしていない」が92%を占め、次点のハンガリーや韓国の81%を引き離して最も高かった。
一方で、「難民は受け入れられず、国境を閉じなければならない」「『難民』として自国に来る外国人の大半は難民ではない」と答えた日本市民の割合は各国平均よりも低く、必ずしも難民の受け入れそのものを拒んでいるわけではないこともうかがえる。
調査対象の29カ国は
調査対象の29カ国は次の通り。
【アジア太平洋(8)】オーストラリア、インド、インドネシア、日本、マレーシア、シンガポール、韓国、タイ
【欧州・中東(12)】ベルギー、フランス、ドイツ、英国、ハンガリー、アイルランド、イタリア、オランダ、ポーランド、スペイン、スウェーデン、トルコ
【米州(8)】アルゼンチン、ブラジル、カナダ、チリ、コロンビア、メキシコ、ペルー、米国
【アフリカ(1)】南アフリカ