胎児手術の様子=大阪大提供
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 母親の胎内にいる赤ちゃんの神経障害が進む病気に対して、大阪大や国立成育医療研究センターのグループは15日、これまで6人に「胎児手術」をしたと発表した。先行する米国と同等の成績で、治療の選択肢として期待できるとしている。

 グループは「脊髄(せきずい)髄膜瘤(りゅう)」という、脊椎の中にある脊髄がむきだしになる病気に対する胎児手術の安全性や有効性を調べる研究を進めている。妊娠初期に、胎児の脳や脊髄のもとになる神経管という本来閉じる部位が開いたままになり、生まれた後、歩行障害や排尿障害のほか、脳に水がたまる水頭症になることもある。

 生後の治療では改善が難しく、海外の主要な施設では、胎児のうちに手術することが選択肢になっている。しかし、高い技術や、産科婦人科、小児科、脳神経外科などのチーム医療が必要で、国内では実施されてこなかった。

 グループは、米国で安全性や…

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