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発売された「エレキソルト スプーン」(手前)。スプーンのすくう部分で銀色に光っているのが、電極=2024年5月20日、東京都中野区
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 電気の力で食べ物の塩味を高めて感じさせる食器型デバイス「エレキソルト スプーン」をキリンホールディングスが20日、発売した。減塩食品を口に運んだ際に塩味を補うことができるという。

 スプーンには、すくう部分と柄に電極が取り付けられており、電源を入れて食べ物をすくい、口に運ぶと、食べ物を通じて微弱な電流が流れる。電流の働きで食べ物の中の分散したナトリウムイオンを舌の近くに引き寄せ、塩味を強く感じさせる仕組み。うまみを増強する効果も確認しているという。

 同社は明治大学の宮下芳明教授の研究室と塩味を増す電流波形を共同開発。宮下教授は電気味覚の研究で昨年、イグ・ノーベル賞を受けている。

 体感には個人差があり、料理によっても感じ方が異なる。カレーやスープ、ラーメンの汁といった液状の食べ物に向いている。普段ちょうどよい味付けより30%塩を減らした味付けで満足感が得られるとしている。

 ペースメーカーなど医用電気機器を装着している人などは使えない制限がある。

 税込み価格は1万9800円。公式オンラインストア(https://electricsalt.shop.kirin.co.jp/別ウインドウで開きます)で初回200台を販売する。

 この日の記者会見では、スプーンでカレーを試食することができた。

 スプーンのスイッチを入れ、すくう部分の電極に触れるようにカレーをのせ、口に運ぶ。あれ? 普通のスプーンで食べた時との違いが分からない。

 もう一度使い方を確認すると、いくつか注意点があった。柄を手で持ち上げる際、柄の裏側にある電極が手に接するように持つ必要がある。

 また、スプーンを口に入れた…

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