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ザポリージャ原発を訪れた国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長ら=2022年9月1日、IAEA提供

 ウクライナ中南部にあるザポリージャ原発がロシアに占拠されてから、4日で3年となる。これまでに外部電源の喪失や火災、冷却水の水源下流のダムの決壊などが相次いで発生。現地での国際原子力機関(IAEA)による監視はいまも続いている。

 ザポリージャ原発には6基の原子炉があり、総出力は600万キロワット。欧州最大の規模を誇り、侵攻前はウクライナ国内の消費電力の2割をまかなっていた。2022年9月以降はすべての原子炉が停止しているが、使用済み核燃料は発熱するため、冷やし続ける必要がある。

 ところが、原発に電気を送る送電線が破壊されるなどして、一時的な外部電源の喪失はこれまでに8回発生。23年6月には冷却水の水源にあたる貯水池の下流にあるカホウカ・ダムが決壊し、冷却水の枯渇が一時懸念された。24年8月には、冷却塔がドローン攻撃を受けて火災が起きた。

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ザポリージャ原発をめぐる経緯

 IAEAトップのグロッシ事務局長は、「軍による砲撃などがあれば、重大な事態に陥る可能性がある。停戦や部分的な自制措置がとられるまでは、何も起こらないとは言えない」と懸念する。使用済み核燃料の保管エリアにドローンや無人航空機が衝突するなどの危険が考えられるという。

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