岩手県大船渡市の山林火災は被害の拡大が止まらない。市は27日、新たに赤崎町の6地区(467世帯1192人)に避難指示を発令。対象は三陸町綾里全域と赤崎町合足地区を含め、計1340世帯3306人に広がり、避難所7カ所に851人が避難した。東日本大震災で大きな被害を受けた大船渡市。「二重被災」で、被災者は途方に暮れている。
27日午後4時45分、新たに避難指示が出た蛸(たこ)ノ浦地域。急きょ、同地区公民館に避難していた全員が福祉の里センターに移ることになった。父と娘を連れ、3人で避難していた合足(あったり)地域公民館長の千代和人さん(62)は東日本大震災の津波で、妻と義父を亡くした。
妻は陸前高田市の実家にいて、義母と手をつないで近所の3階建ての建物に逃げたが、屋上に上がる手前で津波に襲われた。義父も自宅から逃げ遅れたとみられ、今も遺体は見つかっていない。自宅も津波で全壊。リフォームしたが、心は癒えていない。
26日は職場で避難指示を知…