東京の桜が満開を迎えた3月30日、現役の農業用トラクター30台が全国から集結した。トラクターは、青山を出発して都会の公道をデモ行進。「令和の百姓一揆」は、予想以上の盛り上がりを見せた。
実行委員会代表として行進を率いたのは、山形県長井市の農家、菅野芳秀さん(75)。身長191センチ、体重100キロ超の巨体で、集会の壇上で演説した。
「日本の農業はたいへんな局面を迎えています。崩壊局面に入ってきたと言っても言い過ぎではない」
- 【動画】都心をトラクターでデモ行進
山形県の南部、置賜(おきたま)地域にある長井市で米作りと養鶏に携わって50年になる。減農薬の米作りや、鶏をケージに入れない放牧養鶏を追求する一方で、世界中の農家と交流し、消費者とつながるための活動を仕掛けてきた。
長井市内の家庭から出る生ごみを集めて堆肥(たいひ)を作り、農地に返す循環の仕組み「レインボープラン」を作った。いまでは台所と農業をつなぐ取り組みとして、地元にすっかり定着している。
「堂々とした田舎を作りたい」
そんな菅野さんだが、高校生…