菅野芳秀さん(右)の身長は191センチ。妻の佐智子さんと=2025年2月28日、山形県長井市、吉沢龍彦撮影

 東京の桜が満開を迎えた3月30日、現役の農業用トラクター30台が全国から集結した。トラクターは、青山を出発して都会の公道をデモ行進。「令和の百姓一揆」は、予想以上の盛り上がりを見せた。

 実行委員会代表として行進を率いたのは、山形県長井市の農家、菅野芳秀さん(75)。身長191センチ、体重100キロ超の巨体で、集会の壇上で演説した。

 「日本の農業はたいへんな局面を迎えています。崩壊局面に入ってきたと言っても言い過ぎではない」

  • 【動画】都心をトラクターでデモ行進

 山形県の南部、置賜(おきたま)地域にある長井市で米作りと養鶏に携わって50年になる。減農薬の米作りや、鶏をケージに入れない放牧養鶏を追求する一方で、世界中の農家と交流し、消費者とつながるための活動を仕掛けてきた。

 長井市内の家庭から出る生ごみを集めて堆肥(たいひ)を作り、農地に返す循環の仕組み「レインボープラン」を作った。いまでは台所と農業をつなぐ取り組みとして、地元にすっかり定着している。

「堂々とした田舎を作りたい」

デモ行進で農家の窮状を訴える参加者ら=2025年3月30日午後、東京・渋谷、相場郁朗撮影

 そんな菅野さんだが、高校生…

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