ソウル近郊の拘置所の外で開かれた集会で2025年1月16日、声を上げる尹錫悦大統領の支持者=ロイター

 内乱容疑で拘束された韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領は16日、高位公職者犯罪捜査庁(公捜庁)の取り調べに応じなかった。尹氏側は徹底的に争う構えで、拘束が適切だったのかを問う審査を裁判所に請求したが、16日夜に請求は棄却された。聯合ニュースは、公捜庁が17日に尹氏の逮捕状を請求する方針だと報じた。

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 尹氏は15日午前にソウルの公邸で公捜庁に拘束され、ソウル近郊の公捜庁に移送された後に夜まで調べを受けたが、質問に対する供述を拒否したという。

 公捜庁は16日午前から調べを再開する予定だったが、尹氏側が健康問題を訴えたため午後に延期した。だが、午後の調べについても弁護側から拒否の意向が伝えられたという。弁護側は「違法な調査に応じる必要がない」としている。

 弁護側が請求した拘束の適否を問う審査は、16日午後にソウル中央地裁で行われた。弁護側は公捜庁には内乱罪の捜査権はなく、管轄ではないソウル西部地裁から拘束令状の発付を受けたのも違法だと主張していた。

 請求の棄却で尹氏の拘束は維持され、公捜庁の捜査に弾みがつくと指摘されている。

 逮捕状請求の判断は拘束から48時間以内にしなければならないが、適否審査にかかった時間は除外されるため、公捜庁は新たな期限内に逮捕状請求の最終判断をする。

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