頭やおなかが痛い、朝起きられない……。10代の子がこうした症状を訴えることは珍しくありません。思春期は、体の病気は少なくても、心の不調をきっかけに、体調不良に陥るリスクが高い時期。そんな子どもたちに小児科医らが向き合う試みが少しずつ広まっています。

 「朝起きると、胸がドキドキして苦しい」

 「学校で何かつらいことがある?」

 11月、東京都内で開かれた日本小児科医会の研修会。各地から集まった小児科医たちが、思春期の患者の診察について学んでいた。実際に中高生らを模擬患者として招き、問診で不調を聞き取る練習をした。

 睡眠不足やスマホ依存、勉強や友人関係に関する不安――。思春期には、心理的・社会的な側面から不調に陥ることが多い。小児科では、こうした不調を訴える子どもの受診が増えており、支援や治療につなげるため、診察の重要性が増している。

 模擬患者として参加した中学2年の堤美音さんは、「こうして話を聞いてくれると思うと、受診するハードルが少し低くなった気がします」と話す。

模擬患者の中学生(左)を相手に、医療面接の練習をする小児科医ら=東京都港区

■発達途中の脳 心の不調や生…

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