厚生労働省が入る合同庁舎=東京都千代田区

 2025年度予算案の概算要求を厚生労働省が28日公表した。一般会計の総額は34兆2763億円。高齢化に伴う年金や医療など社会保障費の拡大で今年度当初予算より4574億円増えた。小林製薬(大阪市)の紅麴(こうじ)サプリメントによる健康被害問題を踏まえ、食の安全対策強化を進める。

 高齢化などでの自然増は4100億円を見込む。物価高騰への対応などは、概算要求で金額を示さない「事項要求」としているため、予算額はさらに膨らむ可能性がある。

 食の安全・安心に関わる事業には37億円を盛り込む。紅麴サプリ問題を受け、機能性表示食品などによる健康被害の自治体への報告が義務化され、自治体や関係団体向けに衛生管理の研修を実施。海外の健康被害情報について分析手法も研究する。

 創薬力の強化に向けては、薬や医療機器の開発に113億円を要求。国立がん研究センターを中心に、遺伝子治療薬など新たな薬を投与するための体制を整備する。電子カルテ情報を集めて分析する事業に6.2億円を計上し、医療DX(デジタル化)を加速させる。

 また、今年1月に施行された…

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